Vol.003 Growfit株式会社 / 代表取締役社長・阿達 俊和 さん

第3回は、エンジニアの新しいキャリアパスを築くために、同志3人で創業したGrowfit株式会社 代表取締役社長・阿達俊和さんにインタビューさせて頂きました!

阿達 俊和  Adachi Toshikazu /代表取締役社長

フリーランスの経験を経て、エンジニアのキャリアに疑問を抱く。新しいエンジニアのキャリアパスを創ろうとプロのエンジニア集団であるGrowfit株式会社を設立。経験を活かし、他数社ともCTOとしても関わっている。

エンジニアとしてできるサービスを

Growfit 阿達(以下、阿達):私はもともとフリーランスとして働いていたのですが、当時、クライアント先でフリーランスエンジニアとして所属していた時の仲間3人で創業したのがGrowfitです。事業内容としては受託開発、SESをメインに行っています。
また、これはGrowfitの阿達として個人で受けている業務にはなるのですが、「バーチャルCTO」という、エンジニアリングシステムの知識がない、うまく開発業務がドライブしない、創業したけれど開発をできる人がいない、といった課題を抱えている企業にCTOとして関わるサービスも行っています。
現在、3社のバーチャルCTOとして関わらせて頂いています。

※SES:System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略称。特定の業務に対し、技術者の労働を提供する契約形態。

新しいエンジニアの形、バーチャルCTO

NovolBa原(以下、原):バーチャルCTOは、具体的にどのようなことをされているのですか?

阿達:バーチャルCTOとは、社外CTOのことです。具体的なサービスとしては会社によっても様々ですが、CTOとして会社の中に入り込んで欲しいということであれば、条件を定めた上で、事業・チームづくりから一緒に行います。協力する会社内でCTOの役割を担うことはもちろん、その会社内で次にCTOにしたいという人材がいれば、その人と一緒に事業のサポート・仕組みづくりを行うこともあります。
バーチャルCTO自体は私個人でお話を頂き、その開発自体をGrowfitとして受ける形を行っています。

原:具体的にどのような企業でバーチャルCTOをされているのですか?

阿達:具体的に2社をご紹介すると、STRAYM ART AND CULTURE INC.と株式会社OSPROという企業です。

一つ目のSTRAYM ART AND CULTURE INC.は、アート作品の共同オーナープラットフォーム“STRAYM”というサービスを提供している会社です。アート作品を皆で共同して保有しようというもので、そこの開発を行っています。一般的にアート作品は高価なため、一人で保有することは難しく、アートを楽しむことはハードルが高いもの。そのハードルを下げ、1口100円単位からアートを気軽に保有でき、楽しめる仕組みを作ったのがこのサービスです。
大きな特徴は、アートの購入後に所持しているアートの保有権を、STRAYMサービス上で売買することができるというところで、FXや株のようにアート作品の保有権を売買することで、値動きを楽しめることが魅力です。

二つ目が、OSPROという会社です。こちらは完全に新規に自分たちで立ち上げた会社で、物流サービス行う会社になります。サービスとしては、まだリリースに至っておりませんが、今後スピードを上げて事業を加速させていく予定です。

このように、事業の立ち上げ期やチームビルディングが必要な会社のCTOとしてサポートしています。

原:ありがとうございます!バーチャルCTO面白いですね!そもそもこのサービスをはじめられたのはエンジニア業界の現状が影響しているのですか?

阿達:そうですね。皆さんもよく耳にするように、”DXを進めていくこと”はバズワード的に世の中に広まっていますよね。システムでできることは、人の手間を削減し、効率化を目指すことにつながります。
一方で、日本国内はDXが遅れている国なので、そこに貢献できるエンジニアはまだまだ不足している状態です。特に一気通貫でできるエンジニア人材はとても貴重で、中々雇用まで進まず、お客様から「CTOのポストを担える人材を採用することが難しい」、「サービス開発に困っている」という声をよくお聞きすることがありました。
そこで、その声に応えるためにCTOの立場を担うサービスとして「バーチャルCTO」、いわゆる「社外CTO」を始めました。
お客様に対して、私たちエンジニアとして出来ることと価値を提供していったことが、一つのサービスの形を作ったという感じです。

20年後、30年後のキャリアを考えるに至ったきっかけとは

原:バーチャルCTOのお話を伺って、阿達さんはフリーランスの新しい道を作られている気がします。フリーランスとして活躍されていた阿達さんが起業するに至ったきっかけをお聞きしたいです。

阿達:起業するまでは、会社の一エンジニアとして働き、その後、フリーランスエンジニアとして働いていました。フリーランス時代にSESという形でお客様のところに常駐し、サービス事業を担い、若いエンジニアの子たちと共に働く日常を送る中で、「自分が50歳になったときに、20代、30代の子と比べられて、エンジニアとして勝っていけるのか」と漠然とした不安を抱きました。
自分自身、案件を回していくなかで、若くて、バイタリティ溢れているフレッシュな人と仕事していることが楽しいなと実感したので。

原:そのような不安を抱かれたのですか。仕事だと年齢を重ねることで能力が蓄積され、人材として重宝されるのかなと思うのですが、エンジニア業界はそうではないのですね。

阿達:はい、もちろん年配で経験ある人から学ぶことも多いので、一長一短ではあると思うのですが、エンジニア業界は日進月歩の世界なので、日々エンジニアとしての勉強・インプットを繰り替えし、知識を蓄えながら働かなくてはなりません。
そうなると、新しいことを積極的に吸収していける若い人の方が良い。
また、チームで作りあげていく仕事も多いエンジニア業界にとって、仲間として一緒にやっていく上では、スピード感やコミュニケーション力を重要視されるので、若い人の方が選ばれやすいと思います。

原:エンジニアとしてのキャリアに対する不安の解決策が、“起業”という手段に至ったということですか。

阿達:はい、私が30歳前後の頃、ありがたいことに当時常駐していた会社でチームビルディングを丸ごと任される機会を頂きました。そこでチームメンバーを選ぶ際、やはりフレッシュな若いエンジニアを集めてチームを作りました。
その時に、「将来、俺大丈夫か??」という不安がはっきりとしました。その不安をエンジニア仲間に話してみたところ、同じような悩みを皆も持っていました。そして、その不安を解決したいという意志に共感してくれた同志3人で、“20年後、30年後もエンジニアが生きていける道をつくる”ため、創業することになりました。

みんなが正攻法を出せるチーム作り

原:お話をお伺いしていると、阿達さんはエンジニアとして“チームで働く”ということが大切なポイントの一つになっているように感じました。

阿達:はい、どんなチームであるかは大切にしています。そう考えるようになったきっかけは、私の経験が関係しています。
フリーランス時代、企業にSESとして入る中で、自分のタスクをこなせば、自分の役割は果たせているという実感があり、個人として仕事はできているという感覚は持っていました。
そこからキャリアを積む中でチームを管理する側になったときに、個人ではなく、みんなで作っていくことを重視するようになりました。
自分一人でやれることが限られているからこそ、チーム全体でみんなが正攻法をだせるやり方を見出すことを大切にしています。
採用の際も、エンジニアとしてのスキルはもちろん見ますが、それよりもコミュニケーション能力や人となりを見るようにしています。チームとして働くことが多いエンジニアにとって、そこは大切であると考えています。

原:素敵ですね、阿達さんの理想のチームって、どのようなチームですか?

阿達:ちょうど、最近作ったチームが理想に近い形で作ることができました。先程のバーチャルCTOで作ったチームです。ルールは色々設けていて、それをチームのタスク管理ツール上いつでも見られるようにしています。
事業としてやりたいことを、スピード感もってやっていく為に、目標を明文化しておく。考えることは、すべてその目標を達成するためにすることなのか、を考えられるようにしています。
また、それを達成するためにはコミュニケーションを重要視しており、大部分リモートというのもあって関係性が希薄にならないよう、Slackでのやりとりも「おはようございます」の挨拶をルール化して実施していますし、言いたいことを言える環境にするため、全員がフラットであることもルールにしています。

メンバーは年齢がばらばらで26~40歳までいるのですが、誰が上とかではなくフラットでいることで、言いたいことが言え、議論ができるチームになっています。
そういったチームが、より良いサービスをつくりだすことにつながると考えています。
うちのチームはみんながお互いのこと好きです!まさに理想のチームですね。

原:阿達さんがつくられた理想のチームの今後が楽しみですね!最後にGrowfitさんとして描いていきたい未来についてお聞かせください。

Growfitが描いていきたい未来

バーチャルCTOの今後とは ―ものをつくるところから、次のステップを考えた新しいキャリアパスを

原:
阿達さんがつくられた理想のチームの今後が楽しみですね!最後にGrowfitさんとして描いていきたい未来についてお聞かせください。

阿達: バーチャルCTOという言葉自体はありきたりな造語ですし、他の企業でも同じ事をやっていると思います。
私はこの単語や世界観をどこかと競争したり、広げていこうなどは考えていないですが、私たちと関わってくださる企業様の抱える困りごとや悩み事を解決していける存在として、バーチャルCTOが理解されていくと嬉しいです。
また、バーチャルCTOを通して、お客様とのJVを実現したり、お客様への会社にジョインしていくといった、従来の「エンジニアがただモノをつくる」ところから、次のステップを考えた新しいキャリアパスをつくることを目指していきたいと思っています。

エンジニアが不自由なく、幸せに暮らしていける世界を描いていく 
―バーチャルCTOを起点として、サテライト的に事業が生まれだす

阿達: エンジニアのキャリアパスを考えて始めたバーチャルCTOを起点に、会社としてはエンジニアの技術力を高めていきながら、そこに関わる人が様々な知見を習得していける場にしていきたいと思っています。
エンジニアのやりたいことがあれば、会社が中心となって、サテライト的にサービスが生まれていくような形を作っていきたいです。
自分たちエンジニアが会社でのキャリアパスを経て、年を重ねたときに、不自由なく、幸せに暮らしていけるような世界を描いていきたいと思います。

Growfit株式会社

Growfitは元フリーランスエンジニアたちが集まってできたプロのエンジニア集団です。 ビジネスを成長させるために二人三脚でシステムを考えるビジネスパートナーとしてシステムに関するコンサルティング、新規開発、追加改修、保守、運用まで、トータルでのサポートを行っています。(webサイトより引用)

【編集後記】
実際エンジニアとして働かれる中で感じた、エンジニアの働き方・将来の暮らし方に対する不安をきっかけに、それを解決すべく、エンジニアの新しいキャリアパスを作っていきたい!と起業された阿達さんの強い想いが伝わってきました。
Growfitさんが作られる新しいエンジニアの道の今後がますます楽しみです!
ありがとうございました。(原康太)

取材日:2021年11月11日
インタビュアー:原 康太  写真:神成 美智子  編集: 西 可菜子 

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