第35回は、「生産者のこだわりが正当に評価される世界へ」をビジョンに掲げ、産直通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(以下本文中は、ビビッドガーデン)、COO・山下 麻亜子さんにインタビューさせて頂きました!2022年6月に13億円という大型調達を実施され、急成長を遂げているビビッドガーデンさんに迫ります!
山下 麻亜子 Yamashita Maako / COO
京都大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。マネージャーとして主に消費財・小売業の全社戦略、新規事業立ち上げやオペレーション改善の案件を主導。社内の人材育成採用にも従事。2020年6月に株式会社ビビッドガーデンに入社。2021年2月より同社取締役として、事業戦略の策定や採用、組織設計など全社横断的に管掌。2022年5月より取締役執行役員COOに就任。(会社HPより引用)
ビジョンにコミットする論理的・戦略的思考の組織
NovolBa原(以下、原):山下さんがビビッドガーデンに参画され、COOという立場で活躍されている秘訣をお聞きしたいです。
ビビッドガーデン 山下(以下、山下):この会社で働くイメージを入社前から鮮明に持てたことが大きいです。入社前の面談のみならず、社員の方と会って話す機会を多く設けてもらい、会社の雰囲気を知ることができました。
また、設定された課題について社員と議論する「プレワーク」もやらせてもらいました。議論を通して、実際に抱えている事業の課題について、全員が積極的かつ論理的に意見を述べるフラットな組織であることを実感し、非常に魅力に感じました。
社会的意義ある事業を行う企業の中でも、明確なビジョンと確実にそこへコミットする論理的・戦略的な思考をもつ組織で働きたいと思っており、ビビッドガーデンがまさしく私の中で当てはまりました。
入社前からビビットガーデンで働くイメージが具体的に持てていたため、入社後もギャップを感じることなく、現在はCOOを担わせて頂いてます。
オープンなコミュニティーが“阿吽の呼吸で動ける組織”に
原:急成長・急拡大する中で、大切にされた組織の状態・環境を教えて頂きたいです。
山下:私が入社する前の10人規模の時代から、会社として目指すべきビジョンと大切にすべきバリュー(行動指針)が社員にとても浸透していました。それによって、人数が増えた後もビジョンやバリューがブレずに、社員全員へ伝播する環境が構築できています。
具体的な話を例にあげると、Slackでの会話をなるべくオープンにすることを創業初期より大切にしており、社員全員がそれを実行するようにしています。
私はコンサル出身のため、クローズドなコミュニケーションが当たり前でしたが、入社時にオープンなコミュニケーションの重要性を丁寧に教えてもらい、理解することができました。
それぞれがもつ情報を能動的に発信し、オープンにすることで、社員同士がお互いの動きを把握・連携できる「阿吽の呼吸で動ける組織」として進んでいくことができています。
例えば、1、2チームぐらいで進められていたことでも、会社全体で進歩・状況が共通認識としてあるからこそ「このタイミングでコーポレートチームからも意見をもらったほうが良いから意見を聞こう!」、「あのプロジェクトチームとも連携しよう!」となり、コミュニケーションコスト少なく、連携できる組織となっています。
これはオープンなコミュニティだからこそ実現する形であり、リソースが限られるスタートアップにとっては非常に重要です。
頭を意識的に使い分け、俯瞰できる環境を創ること
原: COOという立場で、組織・事業の施策を立案する中で、意識されていることをお聞きしたいです。
山下:足元の業務と中長期の戦略、両方を同時に見ていかないといけないのですが、その際に2つをしっかり分けて考えるように意識しています。事業を進める中で、2つを同じテーブルで議論してしまうと、どうしても足元のやるべきことが優先されがちになります。中長期は見えない部分も多いですが、会社の将来に関わる重要な視点なので、そもそも同じ基準で比べられないです。
だからこそ、私は自分の中で、何割ぐらいは足元のことに頭を使う時間、何割ぐらいは中長期のことを考える時間とあらかじめ使い分けています。
また、自分の思考が今どっちに寄っているかを意識し、自分と違う他の視点を持つ方に頼ったり、役割分担することを大切にしています。
具体的な話でいうと、代表の秋元は3年先や10年先など、足元よりも先を見るところが私より得意です。だからこそ、中長期の戦略を考えるときは自分1人で考えるのでなく、秋元に積極的に意見を聞くことが多いです。自分の考えにはなかったポイントが議論の中に出てくるので、そこを敏感に拾うようにしています。一人で没頭してしまうと、視野が狭くなるので、自分自身を俯瞰的に見られる環境創りを意識しています。
他のスタートアップの同じような役割・立場の方や、創業者の方など断なる役割の方と話す時間も大事にしています。色んな事業・領域・組織で動いているからこそ、様々なスタートアップの方々と話すことは私にとって非常に学び・ヒントが多い時間となっています。
社内・外において、色々な方と接することで思考を整理することができ、広い視野をもち事業を進めていけると思います。
ビビッドガーデンの未来
生産者とその先にいるユーザー全員の日々が楽しくなる、幸せになる世界を
山下:「生産者のこだわりが正当に評価される世界へ」をビジョンとして掲げているので、まずは、良いものを作っている生産者さんが収益性を上げられる販路を確立して、事業をスケールできるようにすることに注力していきたいです。そして、生産者さんが作った食材を欲しいと思うユーザーさんに届け、そのユーザーさんの生活がちょっと楽しくなる、幸せになる世界を目指していきます。
その世界を実現するためにも、組織は非常に大切だと捉えていて、成長率高く、アクセルを踏んでいける「強い組織」を作っていきたいです。
強い組織というのは、個々人が課題認識を持ち、その課題をどうしたらもっと良くできるかを考え、動き続ける組織だと私は考えています。組織には様々な人がいるからこそ、見えている課題もそれぞれ違います。一つ一つの事柄に対して、各自がオーナーシップをもち、こうしたら良いのではないかと提案できる組織になることで、常に納得いく道を進んでいくことができ、最大限のパフォーマンスを発揮していけると考えています。
ビビッドガーデン積極採用中!
ビビッドガーデンは、フロントエンドエンジニアやプロダクトマネージャー、CS/マネージャーなど様々な職種を募集しているので、興味ある方は応募して頂きたいです。
業界の既存を疑い、自ら課題を見つけていける人にはぜひ来て頂きたいです!
株式会社ビビッドガーデン
生産者が、個人や法人に“直接”商品を販売できるプラットフォーム「食べチョク」を提供。法人向けに顧客へのプレゼントキャンペーンや従業員へのギフトなど「食べチョク for Business」を提供。「食」にまつわるライフスタイルメディア「食べチョク&more」の運営。「生産者のこだわりが正当に評価される世界へ」をビジョンに掲げる。(INITIALより引用)
株式会社ビビッドガーデン (vivid-garden.co.jp)
【編集後記】
山下さんの言葉一つ一つに力強さを感じ、思わず「うん、うん」と頷く取材でした。たまに見せてくださる優しい笑顔も印象的で、山下さんの強さと温かさをもって、チームを引っ張っていかれていることが理解できました。取材後案内して頂いたオフィスエリアにはキッチンスペースがあり、毎週月曜日はそれぞれが生産者さんの食材を持ち寄り、飲み会があるそうです。とっても素敵な風景が想像でき、次回はWITHで潜入したいなぁと思いました(笑)。勢いが止まらないビビッドガーデンさんの今後がますます楽しみです!(原康太)
取材日:2022年6月28日
インタビュアー:原 康太
写真:原 康太
編集:山田 直哉