日本の社会課題を解決! 期待するスタートアップのサービス4選

革新的なビジネスに挑戦するスタートアップを始め、ベンチャーキャピタルや大企業の次期経営幹部など、キーパーソン限定の新産業創造プラットフォームである『STORIUM』。
今回は、9月28日にオンラインで開催されたスタートアップ企業のピッチ#8に潜入したので、その内容をお届けする。

外国人が安心して利用できる非公開型不動産プラットフォーム

1. 株式会社アットハース

株式会社アットハースは、日本在住の外国人向け不動産プラットフォームを提供している。まず、事業を立ち上げた背景は、日本に在住している外国人は、釣り広告が多い日本の物件情報や、1、2か月審査で待たされた後に入居を拒否されるなど、賃貸業界に強い不信感を持っていることがある。またその一方、管理会社やオーナーも日本語が通じない外国人に対してトラブルを恐れたり、賃料を安定して払えるのかという不安・不信がある。これを解決するためのサービスが、非公開型の不動産プラットフォームであるアットハースである。このプラットフォーム内に釣り物件はなく、外国人が入居可能な物件において、外国人と管理会社(オーナー)をマッチングすることを8年間行ってきており、双方の不信を取り除いてきた。また、コロナを経ても在留外国人は増加トレンドにあり、これからも需要は増えていくと思われる。

アットハースの強みは、高所得者の外国人を中心に高単価のビジネスモデルとなっていることや、外国籍OKの物件データ数は日本一を誇っていることで、その数も増加し続けている。また、社内メンバーも英語とITを駆使できる希少な人材が管理会社や外国人に安心感を与え、高い満足度を達成している。

今後は、賃貸仲介から更にサブスクの家事手伝い、休暇時のショットでのレンタルなどでLTVを最大化していき、システムの自動化も取り入れながら売上を上げていくことを目指している。このように様々なサービスを展開できる余地があり、今後の成長が楽しみである。

最低一着からアパレルを作れる、MY HOME ATELIER

2. 株式会社ヴァレイ

株式会社ヴァレイは、一着からでも洋服の生産が可能なサービス、MY HOME ATELIERを展開している。代表の谷氏がこのサービスを立ち上げた背景は、アパレル製造ができる日本の工場がこの30年で10分の1以下に減少しており、日本の縫製業を何とか次世代に繋いでいきたい、業界を復活させたいという想いから来ている。

現在、ECのアパレル市場は約8.6兆円ほどであり、そのうち20%が国産アパレルとなっている。さらに、その中で、ヴァレイが扱っているような「ラグジュアリー」、「トレンド」系は8,000億の市場となっている。注目すべきなのは、このような洋服を生産してEC販売しているのは、ほぼ全てが2~4人以下の小規模事業者であることだ。そこで問題になるのが、洋服の生産ロットである。日本の大きい工場では、最低300着など大きい単位からしか作れないことが多く、小規模事業者は生産を委託する先にとても苦労する。

その課題を解決するのが、MY HOME ATELIERだ。結婚や出産、親の介護などでリタイアした縫製職人が家で服作りをできる仕組みを作り、最低一着から洋服の製造を発注できて、最終エンドユーザーまで商品を発送することを可能にした。自宅で縫製職人が働けて、ECアパレルの小規模事業者は小ロットで発注できるという、とても社会的に意義のあるものになっている。現在、累計ユーザー数は244社であるが、まだまだこれから伸びていくと思われ、さらにユーザーのための受注・在庫管理、ECショップ構築支援、マーケティングなどのサービスまで拡大させている。今後の目標は、2026年に売上25億円の達成と、IPOを目指して事業を進めている。

雨の日を快適に、傘のシェアリングサービス「アイカサ」

3. 株式会社Nature Innovation Group

株式会社Nature Innovation Groupは、駅やオフィスビルで利用できる、傘のシェアリングサービスを提供している。日本では、ここ30年で傘の輸入量が3倍ほどになっており、約1億~1億3,000万本を毎年輸入し続けている。これは、天気予報を毎日見れなかったり、傘を持ち歩くのが面倒で外出したが、雨に降られて仕方なくコンビニなどで傘を買ってしまう社会になっているからだ。

買いたくない傘を買ってしまい、それにより資源を消費し、CO2の排出にもつながっている、これを傘のシェアリングで解決しようというのがアイカサだ。2030年までに、8,000万本の使い捨て傘を減らすために、年間1億回使われる傘のシェアリングサービスを目指している。

現在、”ダウンロードから1分で使える”アプリの登録者は35万人(1年間で2倍の増加)で、99%がまた利用したいという意思を示しているとのこと。また、傘を借りられるスポットは約1,000か所あり、このスポットを10倍の1万か所まで増加させ、利用者も増やしていく計画を立てている。スポットの場所については、1都3県の駅に設置し、認知・利用率を上げていく戦略。利用料金は一回110円に設定しているが、ここ2年間は     サブスクでの提供も行ってきた。気軽に、何回も、何日も借りられるサブスクの登録者数が直近急増しており、今後も強化していく予定とのこと。アイカサは、2030年までに日本の都市圏に置いてどこでも傘を借りれて雨に困らないインフラになることを目指してサービスを拡大していく予定で、アイカサが私たちにとって身近なサービスになっていく状況がとても楽しみである。

オフィス構築における調達業務のデジタル化を可能にする

4. 株式会社Swish

株式会社Swishは、オフィス構築における調達業務のデジタル化を可能にするサービスを提供している。2022年10月にクローズドβ版をリリースし、今後さらに顧客体験のブラッシュアップと事業拡大をしていく予定だが、まず特徴的だったのは代表の横澤氏がこの事業を立ち上げた原体験である。

Swishを立ち上げる前にオフィス家具メーカーの最大手であるコクヨで勤務していた横澤氏は、営業担当として顧客のオフィス構築に携わったが、ある案件で発注内容と異なる商品を相当数手配してしまい、深夜に顧客に呼び出されて叱られ、手配し直しにより案件単位で大きな営業赤字を出してしまった。しかし、これは何も横澤氏だけの問題ではなく、オフィス構築はかなりアナログな業務が多く、紙のカタログや図面を使って情報を纏めたり、業者に展開する。コミュニケ―ションツールもメール・電話・チャットなどバラバラであるため、とても非効率でミスが起きやすい構造になっている。このため、横澤氏によると、オフィス構築において同じようなミスが全体の約15%、年間約3万件起きているとのこと。このアナログな調達業務を、デジタルに置き換えて効率化し生産性を高めるのがSwishのサービスである。

このサービスは、クラウド上にて品番入力不要で商品データベースから選択できたり、オフィス構築に関わる複数業者がクラウドでコミュニケーションできる機能などが特徴。例えば、それぞれの業者がクラウド上で最新の図面および最新の発注内容を確認することができて認識の齟齬がなくなり、さらに図面に関して誰かがコメントする、確認する、タスクを作る、などが可能で、みなが同じものを見てコミュニケーションするのでとても効率的だ。

今後、このサービスをSaaSとして展開し、多くのオフィス構築業者に利用してもらうことを目指している。それに加え、オフィス家具に留まらず、床材・照明など様々なインテリア商材を商品の受発注データベースに追加していくことで、メーカー側からの発注手数料も合わせるなどの戦略で売上拡大も図っていく。また、オフィスだけでなく医療施設やホテル、注文住宅など多種多様なインテリア空間への横展開も将来的には考えており、市場も大きいことから今後が非常に楽しみである。

記事作成:山田 直哉

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