プレーリーカード オカムラ Workmill WITH by NovolBa

【イベントレポート】肩書を捨てたら、心の距離が近づいた!

WITH編集部の神成美智子です。パラレルキャリアを歩んできた筆者は、肩書ごとに名刺をつくり、相手に合わせて「どの名刺を出すか」考えることに、いつも不便を感じていました。数種の名刺を持ち歩くと、名刺入れはパンパンに。多くの方とお会いする場には、輪ゴムでまとめてバッグに入れても、途中で足りなくなってチャンスを逃すことも。
さらに、紙の名刺で伝えられる情報量はとても少なく、「自分らしさ」を伝えることが出来ません。
今までの当たり前の慣習に疑問を持って、新しい出会い方をしてみる。
「〇〇会社のXX」が始まりではなく、出身地、好きなこと、得意なこと、大切にしている価値観といった情報で出会ったら、もっと仲良くなれそうな気がしませんか?

そんな「新しい出会い」を提唱するプレーリーカード・共同代表 坂木茜音さんのイベントをレポートします。

イベント概要

  • テーマ:肩書を捨てると、コミュニケーションはどう変わるのか?
  • 開催日:2023年6月21日(水)19:00-21:00 
  • 場所:Open Innovation Biotope “Sea”
    東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 13階  株式会社オカムラ内
    ※ “Sea”は、株式会社オカムラ・WORK MILL(ワークミル)プロジェクトが運営する共創空間のひとつです。
  • 登壇者:坂木 茜音(株式会社スタジオプレーリー/共同代表)
  • ファシリテーター:岡本 栄理(株式会社オカムラ)・ 原 康太(株式会社NovolBa)
  • 主催:NovolBa / オカムラ

ファシリテーター、登壇者 

WORK MILLの岡本栄理です。オカムラは「人を想い、場を創る」、働くことを真摯に考えて良くしたいと思っている会社です。働く環境を変える=人生を変える、とも言えるのではないでしょうか。
日本のビジネス慣習である名刺交換は、何か1枚ベールをまとっている感じがしています。名刺交換は、もっと様々な出身の方が交じり合って面白いことしよう、というきっかけになったら良いと思っています。

NovolBaの原 康太です。新卒でオカムラに入社し、設計を担当していました。空間は人の行動、感情変化に大きな影響を与えます。オフィスを変えれば組織も変化する、それに伴走していきたいと思っています。
昨今、自分の「好き」を伏せて行動している人が多い気がしています。肩書にとらわれず、もっと自分に素直になって、アグレッシブに行動できたら良いですね。

スタジオプレーリーの坂木 茜音です、山口県出身です。高校生の時に伝統工芸に興味を持ち、大学時代は京都で伝統工芸と建築、アートを学びました。そこから「文化」により興味をもつようになりました。元々人と話すことが大好きで「コミュニケーション」にも興味があります。プレーリーカードにおいて大事な「文化」と「コミュニケーション」が自分のベースになってます。今はシェアハウスの管理人もしています。めちゃくちゃ音楽が好きです!

イベント内容

紙名刺の歴史をアップデート

プレーリーカード 坂木:皆さん、紙の名刺の歴史って何年か知っていますか?なんと、165年です!元は中国で四角い紙に自分の名前を書いて相手に渡す、という文化から始まったそうです。
私たちのミッションは 「かざすだけのデジタル名刺で新しい出会いの文化をつくる」ことです。世の中の流れを見ても、働き方改革、生き方改革が掲げられ、複業OKの企業が増えたり、フリーランス人口が年々増加しています。
そんな現代においては様々な個人の側面が見えることが重要です。元より人間は多面的だから面白いと思うんです。

プレーリーカードの特徴は3つです。
①アプリ、カメラ不要で、スマホをかざすだけ
紙の名刺の無駄をなくす新しい体験
③使いやすいプロフィールページ

プロフィールページ画面にFacebook、Twitter、InstagramといったSNS、名刺管理アプリを簡単に連携できて、内容はいつでも変更することできるのも便利です。私の場合、紙の名刺交換をしたら、Facebookで名前を検索して友達申請したら名刺がは不要になってしまう、ということがよくあります。それは資源の無駄使いで、環境に優しくないなと感じます。

電子名刺を作ろうと思った原体験

坂木:実は「友人へのプレゼント」がきっかけなんです。私はクリエイターが集まるシェアハウスの管理人をやっているのですが、一緒に住んでいた友人が、アーティストとしてヨーロッパに行くことになり、サプライズでプレゼントしたのがプレーリーカードの原型です。友人は紙の名刺を持っていこうとしていたのですが、活動がインスタ中心であることや、配り終えるとなくなってしまうことを考え、もっと応援したいという想いで生まれました。

その後、アーリーアダプターである友人クリエイターたちに口コミでどんどん広まり、紙の名刺の課題も解決できるな、と実感して、ビジネスとして進めることを決めたのです。

オカムラ 岡本:はじめから「名刺でイノベーションを起こす!」ではなく、お友達のために好奇心でつくったのが始まりだったのですね。

NovolBa 原:様々な肩書を持つ方がまとめて情報を共有できる便利なものから「コミュニケーションをデザインする」という風になったターニングポイントはありましたか?

坂木:私自身がいちユーザーになった時に、自己紹介の時間が10分から5分に短くなる、といったことよりも、同じ10分でもより深く知れる、方が価値があるなと思いました。はじめまして、の時間をもっと豊かにしたい、と。
ペルソナは自分かもしれません。ユーザーとして、めちゃくちゃ使っています(笑)

 

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名刺交換の呪縛

岡本:海外ではあまり名刺文化がないようですが、日本は「まず名刺交換しないと話が始まらない」というのありますよね。一旦、会社名と名前の語らいをしないといけない、みたいな。
先日も、雑談の中で「私今度青森行くんですよ」と話をしていたら、お見送りの出口のところで「実は僕、青森出身なんですよ」と言われまして。先に言ってよ、って思いましたね(笑)
企業っていう「公(おおやけ)」のものが先に出てしまって、自分の情報が一番あとの状況が、このカードがあればすごく変わる気がします。

坂木:たしかに「儀式としての名刺交換」ってありますよね(笑)実はそこもプレーリーカードのこだわりなのです。お互いがカードを交換することで、遠くからみたら名刺交換らしきことをしているんです。
ただオンライン上で情報を送ります、ではなくお互いが持っているものを少しずつ交換する、見せあうっていうところは大事なんじゃないかな、と思っています。そのため、名刺文化をリスペクトして、カード型にしています。

コミュニケーションに依存せず情報を伝えあう

プレーリーカードは、もの凄いスピードで拡がった感じがします。さきほど「複業」という言葉も出ていましたが、1枚の名刺だけだと違うところで面白いことしているのにそれを話せない、というのありますよね。時代背景として多種多様な活動をしている人が増えて、色々な繋がりを生むみたいな。
そういう部分でも可能性を感じたりしていますか?

坂木:ありがたいことに、現在は一定人数の人から受け入れられている、という感覚はあります。想いに共感してくれている、と可能性を感じています。
自分の自己紹介を「名刺以外」で話すって、結構勇気がいると思うんです。「私はこれが好きで、これもやっていて、あれもやっていて」って話すと、すごく主張の強い人なんだ、って思われるかもしれなくて。これは日本人特有の心配ですよね。
ある意味、紙の名刺だとコミュニケーションの力量にめちゃくちゃ依存していると思っていて、話すのが得意な人がより伝わる、という世界。無口だけど何かにめちゃくちゃ詳しい、意外と面白い人が、さりげなく相手にその情報を伝えられると良いなって思います。

コミュニケーションの勇気よりも、デジタル名刺を読み取ってもらう勇気の方がハードルは低いと思うので、もっとデジタル名刺が当たり前の世界になって欲しいですね。

肩書が無くなって残るもの

岡本:名刺交換のあと実際にやっていることといえば、名刺管理アプリに登録して、その後は会社の年1回の溶解処分に出す・・。情報さえ手に入れば、残った紙は不要だということを、みんなどこかでわかっているんですよね。
一番大切なのは「情報」なので、その意味でもプレーリーカードはイノベーティブだと思います。

私は「働く」にまつわる共創活動の中で、たくさんの人とお会いしていますが、例えば定年する人が、今まで肩書で話ししていたけれど、肩書がなくなったら何を話したらいいかわからない、という人も多くて。
今まで会社で頑張ってきた人ほど、会社のことは語れても自分のことは語れない、ということになるんじゃないかと思っています。

日々忙しく仕事をしていると、なかなか自分の棚卸ができないと思うので、今からそのワークをしたいと思います。

坂木:頑張ってきれいに書く必要はないので、思うままに自由に、絵を描いてもいいですし、表現方法はお任せします!

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【ワークシート】で掘り下げること
①自分のスキル
②性格
③好きなこと・趣味
④大事にしている価値観

ペアワークで、お互いに肩書以外の自己紹介をする。

皆さん、笑顔でとても盛り上がっていたのが印象的でした。

 

参加者の声

多くの方にご参加いただき、イベント満足度は5点満点の「4.5」でした! その一部をご紹介します。

「名刺があることで、逆に肩書きやビジネス・業務のことしか話せないような雰囲気になること、他にもあれもこれも活動しているという紹介が自己アピールの激しい人のように映ってしまいがちであるという話が、まさにその通りだなと思いましたし、プレーリーカードがコミュニケーションの形を広げていける部分・核になるのだろうと感じました。」

「肩書を捨てて自分の棚卸しをする時間というのがなかなか無いので、貴重な時間でした。自分のスキルも会社の中でのスキルを考えてしまいがちだったので、自由に考えようと思いました。」

「名刺の歴史からの課題提起はなるほどと思った。」

「年々肩書きに縛られている気がしました。」

「紙の名刺をなくすより、肩書を忘れたコミュニケーションが大事。」

「とても有意義な機会でした!プロダクトの背景を知れるのが面白い!」

「事業を立ち上げた経緯の話が興味深かった。」

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まとめ

肩書無しの交流会では、出身地、趣味、最近ハマっていること、といった話題で大いに盛り上がりました。
大企業、中小企業、スタートアップといった所属している場所、肩書きを一旦横において、フラットに仲良くなるという経験は初めてです。


結論肩書無しのコミュニケーションをすると、みんな笑顔で仲良くなれる!

関連情報

株式会社スタジオプレーリー
スマートフォンをかざすだけのデジタル名刺「プレーリーカード」のサービスを提供する。プレーリーカードは専用アプリもカメラも不要で、NFC 技術を用いてスマートフォンを名刺サイズの専用プラスチックカードにかざすだけで情報交換ができる NFC デジタル名刺サービス。Eight や Sansan などの既存の名刺管理サービスと連携可能となっている。

プレーリーカードWEB:https://prairie.cards/

プレーリーカード


取材日:2023年6月21日
編集・文:神成 美智子
写真:鄧 雯

 

【イベント終了】肩書が無くなった時、コミュニケーションはどう変わるか? / ㈱スタジオプレーリー

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