
第58回は、「若返り」がコンセプトのまったく新しい美容液『doum』を手がける、株式会社doum代表取締役の大田 直樹さんにインタビュー。もともと広告業界に勤めていた大田さんが、なぜスキンケアブランドの会社を立ち上げたのか、その思いに迫ります。[AD]

株式会社doum 代表取締役
大田 直樹
1993年生まれ。新卒でTBSに入社しSASUKEやスポーツ等の中継音声事業に携わった後に、広告の世界へ。2018年に株式会社サイバーエージェントに入社。YouTuberやインフルエンサーなどのキャスティングや、ビジネスパーソン向け「新R25」の広告運用に従事。2020年にインターネット広告のプランニングやインフルエンサーマーケティングを手がける株式会社grapeを共同創業。2025年に化粧品メーカー株式会社doumを創業。
日々のスキンケアから、前向きな気持ちをつくりたい
NovolBa 種石 : 大田さんは、WEB広告大手のサイバーエージェントに入社して以来、起業も経験しながら約8年間、広告事業に携わっています。今回、まったく違う分野である化粧品事業立ち上げに、挑戦したのはなぜでしょうか?
doum 大田:そもそも私は以前から、商品開発がしたいと思っていました。数年前、広告会社を共同創業した時も、2人で「いつか事業者として、自社サービスに挑戦しよう」と話していました。ありがたいことに創業から5期目を迎え、人材やアセットの面からタイミングが整ったことから、今回の新会社設立に至ったという流れです。

種石 : なぜ、数ある事業の中から化粧品事業を選んだのでしょうか?
大田:理由は大きく2つあります。1つ目は、これまで幅広い商品のマーケティング支援をさせていただく中で化粧品・コスメは、自社でもメインに担当してきた分野で、大きく成果を上げてきたジャンルだったことです。
その背景には、広告制作・運用会社の枠にとらわれず、クライアントに伴走をしてきたことがあります。広告代理店という目線以外に顧客目線という視点も持ちながら、時には商品設計に関わる提案もさせていただいてきました。その結果、化粧品・コスメ領域の知見やノウハウが蓄積され、お客さまがどういったことに興味関心を抱き、購入に至るのかなどを学ぶことができ、そのナレッジは今進めている新しいスキンケアブランドの開発に多く活かせています。
2つ目は、個人的に化粧品への思い入れがあったことです。
私は昔から、化粧品やコスメには人を変える力があると思っていました。偶然かもしれませんが、自分自身、営業を担当していた際、見た目に気を配ったことで成績を大きく伸ばした経験があります。このとき思ったことは、もちろん相手からの印象が変わることも大事ですがそれよりも、自分に自信を持てるようになったことが重要であるということです。
相手にはわからない小さなことでも自分が何かを変え、それが自信に変わると、前向きに仕事に臨めるようになり、頑張る力が自然と湧いてきました。その結果、成績面でもポジティブな影響があったのだと思います。
仕事に限らず、そういった努力をすることは人生を前向きに変えると信じています。日々のルーティーンの中にあるスキンケアという領域から、何かを変えたいと思う人に寄り添い、そのお手伝いができたらと思い、スキンケアブランドの立ち上げを決めました。
健やかな肌に導き、あの頃のような肌を目指して
種石 : 2025年4月にリリースしたエイジレス美容液『doum』について、あらためてどのような商品なのか教えてください。
大田:コンセプトは「日々の肌ストレスや年齢に伴う肌悩みにアプローチし『あの頃』の肌に戻せるような潤いと輝きを与える」というものです。「童顔」の「童(=dou)」と、「夢(=mu)」を組み合わせて『doum』(ドウム)という名前をつけました。「あの頃」の時のような肌に戻れる「夢」を諦めないでほしい、という願いを込めています。
主な成分は、肌本来の美しさをサポートする『エクソソーム』『NMN』の2つです。『エクソソーム』は、肌をすこやかに整え、キメのあるなめらかな肌印象へ導きます。一方『NMN』は、年々人間の中から失われる糖、脂肪、クエン酸回路の代謝を促し、肌のうるおいとハリ感を保ち、イキイキとした印象に整えます。年齢を重ねても、自分らしく輝く肌を目指す方へおすすめの成分となっています。

種石 : なぜ、若返りや肌再生というコンセプトにしたのでしょうか?
大田:多くの人は、人生で一度でも「あの頃に戻りたい」「若返りたい」と思ったことがあると思います。その気持ちに応えられる商品をつくりたかったからです。近年、SNSの普及もあり、ルッキズムや外見至上主義という、昔は耳にしなかったワードが聞こえるようになったと思います。そのなかで、年齢を重ねるごとに訪れる肌の老化は、男女関係なく多くの人に共通する課題だと感じています。
『doum』をご利用いただく方の主なイメージは、以前の肌から少し変化を感じてきていたり、これからの肌をより大切にしていきたいと考える30代以降の方ですが、10~20代のうちから未来の自分の肌ケアのためにご利用いただくのもオススメします。多くの人の、人生で一番コンディションのいい肌を長続きさせるサポートが出来たらと思い、今回のコンセプトに至りました。

顧客目線の純粋な理想を、現実に変える挑戦
種石 : 商品開発で、苦労したことがあれば教えてください。
大田:自分達が想像している理想を、現実に変えることだったと思います。
繰り返しですが、私は広告事業の経験が長く、化粧品開発の経験はありませんでした。だからこそ純粋な気持ちで、お客さまにとってよりよいスキンケアブランドを提案できた反面、難しい商品設計を形にすることに苦労しました。
たとえば、『doum』の主成分である『エクソソーム』『NMN』は、日本の工場では理想的な配合を実現することが難しかったです。そこで、美容大国でもある韓国の企業と共同開発をすることにしました。
そもそも韓国は数年前から童顔ブームで、多くの化粧品会社が競って研究や商品開発を進めています。そのような国の化粧品会社とタッグを組むことで、エイジングケア領域の最先端技術を取り込み、質の高い商品開発ができると考えました。
また、「美容成分99%配合」も実現が難しかったポイントの一つです。『doum』は、1%の腐食防止成分を除き、そのすべてを美容成分が占めます。利益を考えると、美容成分を薄める原料を入れ、各ボトルの原価を下げる方がよいのでしょう。しかし、私たちにしかつくれないものがつくりたいと、あえて成分を薄めずに商品化することを決めました。

大田:美容成分を薄めればさらに利益は上げられますが、今回はあえて、純度を落とさず制作することにこだわりました。化粧品・コスメの分野で広告を担当してきた経験から、本当にいいものを制作し提供することで、より多くのお客さまに届けられると思っています。
長年広告に携わる中で、派手さよりも、実直にお客さまに向き合い続け、愛され続けているブランドを多く見てきました。『doum』が目指すのも、そのような素晴らしいブランドです。極端なことを言えば、永遠に続くブランドにしたい。そのために、お客さまへの価値提供を第一に考えた商品設計にしています。

いよいよリリースの新商品、販路拡大に注力
種石 : 『doum』の今後の展望について教えてください。
大田:4月24日にリリースしたばかりのブランドなので、まずは販路拡大に注力する予定です。自社サイト、ECサイトでの販売はもちろん、ドラッグストアをはじめとする化粧品取扱店舗での販売、イベントでの配布など、取り扱う場所を増やせればと思っています。この記事を読み、『doum』にご興味をもっていただいた店舗責任者、仕入れ担当者、イベント運営担当者などの方々とは、ぜひ一度お話しをさせていただけるとうれしいです。
また、「永遠に続くブランド」であるために、お客さまの声を大事にし、取扱商品の拡充・改良を重ねたいです。販売するなかでいただくご要望をもとに、できるだけお客さまに寄り添い、長く愛されるブランドに育てていければと思っています。
ゆくゆくは、今回リリースした美容液だけではなく、化粧水やフェイスパックなど様々なスキンケア商品の開発も検討するつもりです。自分たちで納得したものをつくるという考えはブラさず、多様なバリエーションを制作していけたらと思っています。
長年、ブランドを続けた先に目指すのは「スキンケアで何か困ったら『doum』」と、多くのお客さまから認めていただくことです。そのためにも、今のコンセプトをベースに、一貫した、自信をもって提供できる化粧品づくりを続けていきます。
■株式会社doum
設立:2025年2月6日
事業内容:化粧品製造・販売
doum公式サイトURL:https://doum.co.jp
取材日:2025年4月14日
インタビュアー・文:種石 光
写真:須田 光