シューマツワーカー松村幸弥(代表取締役)

Vol.015 株式会社シューマツワーカー / 代表取締役CEO・松村 幸弥 さん

第15回は、「ハタラクを自由化し、人生の可能性を広げる」というミッションを掲げ、副業したい人と、リソース不足の課題を抱える企業をつなぐサービスを運営している、株式会社シューマツワーカー 代表取締役CEO 松村 幸弥さんの、組織作りの考え方や今後の展望について伺いました。

松村 幸弥  Yukiya Matsumura / 代表取締役 CEO

2012年、横浜国立大学卒業後、新卒で株式会社ボルテージに入社。ソーシャルゲームのプロデューサー/ディレクターとして勤務。2016年、株式会社シューマツワーカーを設立し、代表取締役CEOに就任。

組織作りで心がけていること

NovolBaとう(以下、とう):創業時メンバーは3人だったと伺いましたが、現在の規模はどのくらいですか?

シューマツワーカー 松村(以下、松村):正社員は50名弱ですが、業務委託やフリーランス、それこそ副業される方を含めると85名くらいです。

とう:85名の方々を束ねていらっしゃるのですね!創業から4年経っていると思いますが、組織作りで心がけていることは何かありますか?

松村:僕はメンバー全員がひとつの目標に向かって一生懸命頑張り、全員でその成果や失敗を噛み締める組織を作りたいと、創業当時から思っていました。

そのために、社員同士の繋がりや一体感、カジュアルなコミュニケーションを大切にしています。具体的な施策の一つとしては、特定のエリアに住むメンバーに対して、資金の余裕がない時から家賃補助を出しています。同じエリアに住んでいると、メンバー同士が気軽に食事やスポーツができたり、何か悩みがあったらすぐに相談できるなど、メリットがたくさんあるので、そういう環境づくりを意識した制度を取り入れています。

また、2021年の夏頃から急激に社員が増え、組織として変わっていかなければならない、という意識があって、今もそこに向き合っているところです。
社員のライフスタイルの多様化に合わせて、育休制度や福利厚生を充実させたり、社員同士のコミュニティを応援する仕組みを作ったり、様々なことを制度化しています。

とはいえ、義務的になってしまうのは避けたいので、いい意味で社員の自発的なコミュニケーションを残せるよう、気をつけています。

経営理念を刷新して、組織に浸透させる

とう:2020年に経営理念を刷新されたようですが、過去にも1度作ったことがあったんですね。

松村:
はい、メンバーが30人前後のタイミングで、バリューのようものを一度作りました。


とう:1回目と2回目の違いや変化していることはありますか?

松村:
アプローチの仕方が結構違いましたね。

1回目はみんなで話し合ってバリューを作りました。作った当時は納得感があったものの、具体的な行動への紐づけが弱かった。結果、形骸化してしまい、経営陣もあまり語れない状況になってしまいました。

その反省を活かして、2回目は僕が「どういう組織やカルチャーを作りたいか」から逆算して言語化しました。ただ、メンバーも30人から50人弱に増えていますし、トップダウンで決めたので、社員が納得感を持ち、行動に移すまでにはなかなか苦戦しますね。

とう:なるほど、ボトムアップとトップダウンの両方を経験されたんですね。
現場に浸透させるためにどんな施策をされていますか?

松村:2つのことを実践しています。
1つは背景を共有して共通の行動に落とし込むことです。
ワードだけだと実際に何をすれば良いのかがわかりづらいので、行動に落とし込むヒントを与えるようにしています。
例えば、我々のバリューの一つに、「期待値以上」というものがあるのですが、その背景を理解してもらったうえで、それぞれの現場で「お客様が何を期待しているのか」を言語化し、それ以上を達成することに意識を向けて日々の活動で実行するようにしています。対社内も同様で、上司や他部署の期待値も言語化するように促しています。

もう1つは評価に反映させることです。
例えば、毎月全社MVPを選出しているのですが、その評価軸は定量的なものばかりでなく、経営理念に紐付いたパフォーマンスをしたかどうか、も大事な基準にしています。

今後の展望

組織の独自性を磨く

松村:僕が偉大だと思う日本の会社がいくつかあって、例えばサイバーエージェントやリクルートなど、その会社を思い起こす時、「組織」がイメージされることが多いのではないかと思います。
今後スケールしていくためには、プロダクトの競争優位性はもちろん大事ですが、組織の優位性も同じくらい大切だと思います。他社の組織をただ参考にするのではなく、我々が大事にしている“新たな働き方”を掛け合わせることによって、シューマツワーカー独自の組織優位性を築いていきたいです。

多様な働き方を日本に根付かせる

松村:副業や副業以外の多様な新しい働き方を日本に根付かせていきたいです
例えば、テレワークやワーケーション、2拠点生活、フリーランス、兼業起業など、その人の理想的なライフスタイルに合わせて働き方を選択でき、幸せな人生を送れるようにサポートしていきたいです。
会社としてもそういったところまで事業を展開していき、IPOを目指していきたいと思います。

とう:ありがとうございました!

株式会社シューマツワーカー

「ハタラクを自由化し、人生の可能性を広げる」というミッションのもと、副業したい人とリソース課題を抱える企業をつなぐサービス『シューマツワーカー』を運営。1人が複数の企業に属することが当たり前になる社会で、その人の【2つ目の会社】を探すプラットフォームを目指す。

https://shuuumatu-worker.jp/


【編集後記】
取材を通して、松村さんの組織作りにかける情熱がとても伝わってきました。そして経営理念は「生き物」だと感じました。一度作ったら終わりではなく、組織の状態に合わせてブラッシュアップし、浸透させ、更に次の壁に備えていく。3人から30人、50人と成長してきたシューマツワーカーさんの更なる飛躍に注目していきたいです!(とう)


取材日:2022年2月7日
インタビュアー:鄧 雯(とう ぶん)

写真:原 康太  
編集:神成 美智子

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