【イベントレポート】五反田バレー・品川区主催、2年ぶりのオフライン交流会を開催
五反田バレーとは?
スタートアップが集まる『五反田バレー』をご存じですか?
五反田というエリアは、渋谷や恵比寿よりも賃料が手ごろで、飲食店も充実しています。生活コストが高くないのも魅力で、2014年頃からスタートアップが集まるようになりました。
集まったスタートアップで情報交換や勉強会を開催したことがきっかけで、コミュニティ化し、2018年にfreee株式会社やセーフィー株式会社などが集まり一般社団法人五反田バレーが立ち上がりました。
品川区と協定を結び、地元企業や行政と連携が強いのも、特長の一つです。
2020年に始まった商店街と連携した「しながわ商店街応援プロジェクト」では、中延商店街のDX化に取り組んでいます。
他にもビジネスマッチング支援、オウンドメディアによる情報発信、エンジニア採用支援など、品川区と連携しながらスタートアップの事業を支える取組みが行われています。
イベント概要
2022年7月19日、五反田バレーと品川区の共催で、2年ぶりとなるオフラインイベントが行われました。今回のオフラインイベントは、対面コミュニケーションの機会を取り戻すこと、新しく加盟した企業を迎えるという目的で開催されました。
イベント・タイムテーブル
19:00〜 開会の挨拶
19:15〜 ①五反田バレーの活動紹介
19:40〜 ②01ブースター様「大企業×ベンチャー協業の成功・失敗事例について」
20:00〜 ③交流会
20:30 閉会の挨拶
①五反田バレーの活動紹介
― 五反田バレーの近況について、運営事務局・森さんより共有がありました。
「最近は、地方自治体とも連携を広げています。岩手県岩手市岩手町のスタートアップ実証実験を支援、福井県の2代目社長への事業支援や、ベンチャー創出支援を行っています。」
②ゼロワンブースター「大企業×ベンチャースタートアップの成功・失敗事例について」
五反田アクセラレーションプログラムの運営を行う、株式会社01ブースター取締役 川島 健 氏がオンラインで登場し、「大企業×スタートアップ連携のTIPS」をテーマにしたお話がありました。
五反田バレー代表理事・中村氏は「交流会は盛り上がる。しかし、大企業とスタートアップが事業連携に向けて動き出すと、意外とうまくいかないケースが多い。双方の課題感を理解することでスムーズな連携を生み出したい」と、テーマの目的を説明。
■株式会社01ブースター / 取締役 ・川島 健 氏 プロフィール
事業連携 3つのパターン
川島:オープンイノベーションを促進するプレイヤーも増え、手段は多様化しています。「連携の仕方」という観点では、大きく3つのパターンに分けられます。
1.販売連携
2.技術連携
3.生産連携
会場では、3つのパターンに分けて、成功事例の紹介がありました。
川島:重要なのは、目的に応じて相性の良い組み方が変わることです。
例えば、大企業側が工場生産の効率化を目的とした場合、難易度が高いかもしれないが、スタートアップと技術連携や、生産連携をした方が良いケースもあります。
また、オープンイノベーションの部署は「3年以内に成果を出すように」と、無茶な要求をされるケースもあります。その場合は、生産連携や技術連携など比較的長い時間を要する連携よりも、短期で成果が出しやすい販売連携を選択した方がよいですね。
大企業・スタートアップの連携課題
川島:一般的な大企業側の課題として、下記のことが挙げられます。
・事業部側が戦略的にどこに行きたいのか曖昧なため、スタートアップとマッチングが起きづらい
・実証実験の予算が取れない
・実証実験に取組むことが目的になり、その後の全社展開など、スケールアップに至りづらい など。
また、スタートアップ側は、リソースが限られている中でタイミングを選択する必要があります。連携に向けては、複数回の打合せなど一定の時間を要するため、資金調達前などは特に避けた方がいいですね。
― 会場では、頷きが見られ、共感されている方が多い印象でした。中には苦笑いする方もいらっしゃいました。
③交流会
そして、みなさんお待ちかねの交流会!今回は、約20社の企業が参加されました。
参加企業の中には、実際にVRを持ち込み、体験スペースを設置される方もいらっしゃいました。
体験されている方かたは、「臨場感がすごい!」と驚きの声がありました。
さいごに
五反田バレーは、スタートアップ、大手企業、品川区、地方自治体とネットワークがとても広いと改めて感じました。また、コロナ禍が続き、オンラインにも慣れてきましたが、やはりオフラインで繋がれることは、とても安心感がありました。
五反田バレーは、今後も様々な取り組みを行っていくそうです。五反田バレーに加入したい、今後の活動を知りたいという方は、webサイトをぜひご参照ください!
取材日:2022年7月19日
文:西 かな子
校正:神成 美智子