Vol.018 CrossBorder株式会社 / 代表取締役CEO・小笠原 羽恭 さん

第18回は、「既存の枠組みを超えた挑戦ができる世界を創る」をミッションに掲げ、最新のテクノロジーやデータを活用することで課題を解決し、ビジネス革新を目指すCrossBorder株式会社(以下、CrossBorder)代表取締役 CEO・小笠原 羽恭さんにお話を伺いました。

小笠原 羽恭 Ogasawara Ukyo / 代表取締役 CEO

新卒で株式会社 野村総合研究所に入社、エンジニアとしてシステム開発や新規事業開発に従事。その後、株式会社ベイカレント・コンサルティングに転職し、コンサルタントとして新規事業戦略立案・営業戦略立案などの様々なプロジェクトを担当する。
2021年、CrossBorder株式会社を4名で共同創業し、代表を務める。

最強エンジニア集団、誕生

ハッカソンで腕ならし

NovolBa神成(以下、神成):共同創業者の4名全員が有名企業出身と伺っていますが、どこで知り合ったのですか。

CrossBorder小笠原(以下、小笠原):学生時代にスタートアップでインターンをしていたのですが、そこが社員ゼロ、役員3名、インターン20名という会社で、インターン生だけで開発を回していました。そこで最も仲が良かったのがCTOの陳、取締役の渡邉です。
当時は、「将来一緒に何かやろう」みたいには特に思っていなくて、各々別の大企業で活躍しよう、という感じでしたが、一緒にハッカソンに出場してアプリを作っていました。
COOの荻原とは先輩経営者が開催していた交流会で出会ったのですが、すぐに意気投合して、翌月にはビジネスコンテストに一緒にエントリーしていました(笑)

元々知り合い同士の4人ですが、得意領域や専門性が違っていたので、それぞれの強みを生かした面白い会社が出来ると思ったのも、4人で会社を創った大きな理由です。
私は、ビジネスサイドでは新規事業開発、エンジニアサイドではマネジメント、クラウド、フロントとバックエンドと、全体を見渡すことが得意です。陳はバックエンドとビックデータ解析、渡邉はフロントエンドの開発、荻原は法人営業と事業開発を得意としております。 「一緒に起業しよう」ではなく、もっとラフに「日常生活の中で感じる課題を解決するアプリをつくろう、一緒にハッカソン/ビジネスコンテストに出よう。」という感じで僕から誘って、いくつもの大会に出ました。ほとんどの大会で賞を頂けて結果もついてきていたので、楽しくなってずっと続けていました。

VCとの壁打ちで事業をブラッシュアップ

神成:それは無敵ですね。何がきっかけで起業に至ったのですか。

小笠原:三菱商事とHERE Technologiesがプラチナスポンサーを務める『アジアハッカソン』で3冠を獲得して1位になり、出資のお話を頂いたことをきっかけに、起業を考えるようになりました。
それが、現在も親しくさせていただいている社長の方々と繋がるきっかけにもなりました。皆さん当たり前のように、まるで財布を持っているのと同じ感覚で、会社を持っていて…頻繁にお会いしているうちに、少しずつマインドが変わっていき、起業へのハードルが下がっていきました。

また、15社くらいのVCさんとセッションさせて頂きましたが、その面談も大きな後押しになりました。
「市場で勝ち抜く戦略ってどう考えている?」「競合に打ち勝つ強みや営業戦略はどうなっているか?」「MOAT*はどのように築いていくのか?」「MRR**はどのように推移させていくのか?」と、様々な質問を投げかけて下さるので、自社なりの答えを用意する過程で自然とブラッシュアップされていく感じでしたね。
特に、投資決定を頂いたANOBAKAさんとCyber Agent Capitalさんのご担当者は出資前からいつも高い視座で、鋭いご質問や適切なアドバイスをくださり、今の事業にたどり着くヒントを得ることができました


*MOAT: 競合優位性、企業の強み
**MRR: Monthly Recurring Revenueの略。毎月継続的に発生する収益のこと

潜在的課題の解決が、価値をつくる

神成:前々職の野村総合研究所(以下、NRI)ではエンジニアとして新規サービスのシステム開発、前職のベイカレント・コンサルティングではコンサルタントとして新規事業戦略立案等のプロジェクトを経験されたと伺っていますが、プロダクトのマネタイズポイントはどうやって見つけていらっしゃいますか。

小笠原:プロダクトアウトとマーケットインの間(はざま)を探し出すことだと思っています。これはコンサルファームの偉い方から教えて頂いた言葉です。
一般的に、“プロダクトアウト”は、技術や製品で潜在的ニーズに応えるもので、“マーケットイン”は顧客が欲しいと思う顕在化したニーズに応えるものと認識されています。

NRI時代は、ブロックチェーンなどの先端技術を専門にしていたこともあり、技術ありきの“プロダクトアウト”でやっていくことが多かったのですが、なかなかマネタイズに結び付かないという苦労がありました。
一方、“マーケットイン”で入りすぎると、顧客の求めることを追求するので、受託開発や何かしらの請負業務になってしまう傾向があり、それも違う。
プロダクトでグロースできるモデルをつくっていきたいならば、顕在化していないニーズを見つけて、それを新しい技術で、新しい解決方法を考えること、が大事だと思うのです。

あまりに時代の先端をいくマーケットだとニーズが存在しない可能性があるので、新しすぎないマーケットに軸足を置いて、新しい解決方法でアプローチしていくイメージです。これによって、ニーズが存在する新しいマーケットを作っていけると考えています。

事業内容と今後の展開

営業の打率が飛躍的に上がる?!

神成:現在の事業内容について、詳しく聞かせてください。

小笠原:『Sales Marker』(セールスマーカー)という、BtoBセールスインテリジェンス分野のサービスをメインに提供しています。法人営業の方がリスト作成する際のターゲティングツールで、ターゲット顧客のWEBの行動履歴を分析して、「この企業はあなたのサービスに興味がありますよ」という優先度をつけてリスト化します。
従来は、企業データベースから業界、売上、従業員数といった軸を使って絞り込んでいましたが、それだと数を打っても確率が低いため、なかなか当たりません。

神成:素晴らしいツールですね!ぜひ使ってみたいです。普通は何百件送って1件レスポンスがある、くらいの低い打率のイメージ… 感覚的には0.5%~1%とかの世界だと思うので。

小笠原:Sales Markerは、興味のあるお客さんのいる場所にピン(=マーカー)をさして教えてくれるイメージで、既存の営業手法と比較すると、「アポ化」率を約8倍、「成約」数で見ると約12倍にアップさせることも可能です。

図:公開情報と実験データを元にしたシミュレーション結果

国同士の垣根を無くしてボーダレスな世界に

神成:今後の展開、目標をお聞かせください。

小笠原:短期、中期、長期に分けてお話しますね。
まず短期では、『Sales Marker』をPMFさせることです。ニーズがあり実現性も見えているのですが、様々な商材に適用した時に成約に繋がり、売上に貢献できるところは、色々な企業様と実際に市場に出して実績を積み上げていく必要があると思っています。

中期では、外部データを各社の内部データと組み合わせて、それを意思決定に役立てるところを、セールス以外でもやりたいと思っていまして、例えば、社内の顧客情報を分析するだけでなく、そこに市場の動きの分析を掛け合わせることで、新たなビジネスチャンスやニーズが創出される、といったところまで提案できるようになりたいと思っています。
こういったデータを元に、大きく3つの軸となる営業戦略、事業戦略、マーケティング戦略を通して、意思決定や売上げアップを支援していけるようにしたいです。


長期では、社名に通じる「自分の中の枠組みを越える」というところで、国内外問わず新たな領域に挑戦できる人が、どんどん世の中に増えていくお手伝いをすること。また、国内外の知見を活用して、今まで困難だと思っていたことが自身の想いや力で解決できるような世界を実現していきたいと思っています。

神成:沢山のためになる情報をシェアして頂き、ありがとうございました!

番外編 ~虫好きが高じて、地球温暖化に興味を持った?!~

小笠原:小学生の頃から、社会課題を解決するというのは漠然と考えていました。
僕は青森出身で虫取り少年だったのですが、虫が大好きで、地球温暖化のせいで虫がいなくなるのはイヤだなーと思って。そこから二酸化炭素を減らさなくちゃ、と地球の問題を気にかけるようになりました。

神成:かわいいですね。本当にピュアな想いで。虫はやっぱりカブトムシとかですか?

小笠原:カブトムシ、クワガタはもちろんですが、バッタ、キリギリス、カマキリ、クモ、コオロギ、テントウムシ・・なんでも。家で飼っていました。

神成:私はインドネシアに8年ほど住んでいたんですが、普通にヘラクレスオオカブトがいて、窓から飛び込んでくるんですよー。

小笠原:ヘラクレスはペルーにしかいないと思っていたんですが、インドネシアにもいるんですね。色は黄色っぽい?

神成:いえ、黒っぽくて、ツノが真ん中から上に向かってこうなっていて・・

小笠原:あ、それはコーカサスオオカブトかもしれない。

神成:(写真を見て)確かに!そうです、こういう感じの(驚)
小笠原さんの「好きを突き詰めていく」感じが、垣間見えましたね~!

CrossBorder株式会社

・Sales Marker — 「あなたの製品を欲しい顧客」が見つかる、BtoBセールスインテリジェンス

・Glance — 世界中のビジネス情報を「誰よりも早く」活用できる、次世代型ビジネスニュースプラットフォーム

会社HP

Sales Marker


【編集後記】
「こんにちは~!」真っ白な歯をキラリと見せ、爽やかな王子様が現れた。色白でお肌ツルツル、女性も嫉妬してしまうくらいのお肌の美しさ。加工一切無し!いざインタビューを始めると、「趣味はアプリ開発」というオタクぶりで、実直に「世の中を良くするため、日々開発を考える」THE エンジニアなお方でした。
いつか、インドネシアにカブトムシ採りに行きませんか♡(神成 美智子)


取材日:2022年3月1日
インタビュアー:神成 美智子

写真:原 康太  

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