第16回は、経営企画向けに企業の予算・実績をスマートに管理する、クラウドサービスを提供するDIGGLE株式会社。COOの荻原 隆一さんに、チームの可能性を最大限に引き出すための取組みについてお話を伺いました。
荻原 隆一 Ogiwara Ryuichi / COO
東京工業大学・大学院 情報理工学研究科 修了。London Business School MBA修了。大和証券株式会社にてデリバティブトレーダー、経営企画をつとめた後、2020年よりDIGGLEに参画し、COOに就任。
DIGGLEで働く魅力とは
NovolBa西(以下、西):荻原さんは大企業でキャリアを積まれた後、なぜスタートアップに転職されたのか教えて頂きたいです!
DIGGLE 荻原(以下、荻原):私は、前職ホールディングスカンパニーの経営企画部で、全社戦略の立案、M&A、アライアンス業務等に携わっていました。とても重要でやりがいのある仕事でしたが、ふと「もっと主体的に自分自身の手で新しいものを作り出し、世の中に価値を還元していきたい」と思ったことがきっかけです。
DIGGLEのプロダクトが経営企画の部署向けのもので、私自身が「こういうプロダクトがあればよかった」と思ったことが、入社を決めた大きな理由の一つです。
西:DIGGLEさんが提供している価値と、荻原さんが感じていた課題が重なったんですね。
実際にDIGGLEで働き始めて、魅力はどのようなところだと感じていますか?
荻原:魅力は大きく2つあります。
1つ目は、とても”手触り感がある事業”ということ。つまり、顧客の課題が明確であり、それを直接的に解決するプロダクトを提供していることです。
例えば、ある企業で予実管理を行う際に、エクセルで管理しているとファイルの使い方や中身を知っている人が限られます。そのようにして属人化が起き、担当者が変わると内容が分からなくなってしまうケースがあります。経営企画などの担当者であれば誰もが直面する課題に対して、これまでにないサービスを通じて社会に新しい価値を提供できていると実感できることは、大きなやりがいに繋がっていると思います。
2つ目は“カルチャー”です。一般的に、スタートアップは活発でキラキラした感じ、というイメージがありますよね。DIGGLEは代表の山本の社会人歴が長いこともあり、”THE スタートアップ” という感じではないのが特長です。
スタートアップで働いてみたいけれど、落ち着いた雰囲気で着実に仕事をしたい、という方には合っている環境だと思います。私も違和感なく働くことができています!
西:荻原さんのように、大企業からスタートアップに転職する方にとって、フィットしやすい環境かもしれませんね。
荻原:そうですね。実際、大企業から来て働いている方も多いです。また、しっかりと地に足をついた雰囲気を持ちながら、スタートアップならではのスピード感、会社の成長などを感じて仕事ができるのがDIGGLEの良いところですね。
個人の ”WILL” を尊重する
西:荻原さんはどんな組織を作りたいと思っていますか?
荻原:我々は、“自律して動くこと”が重要だと思っていまして、決まった範囲の仕事をするのではなく、自分自身で足りないと思ったところに、どんどん手を出して改善していく、という動きが必要だと思っています。
誰かに言われてやるのではなく、 「あ、これやった方がいいよね」と自主的に動くことが理想だと思っていますし、私自身もそうありたいと思っています。いまは規模が小さいですが、それは大きくなっても変わらずにいたい部分です。
西:理想の組織を作っていくときに、荻原さんが心がけていることはなんですか?
荻原:そうですね、メンバーが入社して何をやりたいのか、しっかり把握するように心がけています。
もちろんそれは採用活動から始まっていて、面接で転職理由や、なぜDIGGLEに興味を持って頂いたのか、様々な質問でヒアリングします。
入社後は、1on1で「実現したいこと」「どんな仕事が得意なのか、好きなのか」定期的に聞くようにしています。そうすることで、「この仕事はこの人に声をかけてみよう」とピンポイントでお願いできますし、それぞれが活躍できる環境を用意することに繋がり、私が何もしなくても、チーム内でどんどん拾ってくれる状況ができます。
西:個人を理解するっていうところがキーポイントになるのですね。
荻原:そうですね。僕自身はそれぐらいしかできないかなと思っています。
チームの可能性は未知数
西:荻原さんは学生時代に野球とアメフトをされていたんですね。チームスポーツが好きなんですか?!
荻原:はい、チームスポーツは 「1+1が2以上になる」というか、そういう可能性を秘めていますよね。
もちろん、みんなが同じ方を向いていなければ、「2以下になる」こともありますが。みんなが同じ目標に向かって切磋琢磨していくことで、人数以上のポテンシャルが出せる面白さを、昔から感じていました。
西:野球のポジションで言うと、荻原さんはホームランバッターというよりも、全体を見て指示を出したり、動いたりするキャッチャータイプでしたか?
荻原:よくわかりましたね!僕はずっとキャッチャーをしていました。長い時間プレーに関われるのも、全体を見渡せるのも、キャッチャーだからこそです。
西:なるほど。“全体を見ることが好き”というのは、今の役回りにも通じるところはありますか?
荻原:僕はどちらかと言うとスペシャリストではありません。全体をみて整合性を図ることや、出てきたものをまとめることが得意で、僕の役割かなと思っています。
西:今後さらにチーム力を高めるために、今後やっていきたいことがあれば教えていただきたいです!
荻原:ミッションビジョンを言語化することです。もちろん、既にそれらしきものはありますが、まだまだ言語化が必要な状態です。今は、優秀なメンバー同士が阿吽の呼吸で、お互いの気持ちを汲むことによって、同じ方向に向かっているのかなと感じていて。それもDIGGLEの良いところだと思うのですが、今後はミッションビジョンをしっかり言語化して、人数が増えてきたときにも、変わらず求心力がある状態を作っていきたいです。
管理会計をもっとらくに
西:最後に、事業の今後の展望について教えて下さい。
荻原:このサービスをもっと多くの方に知っていただいて、ご利用いただきたいと思っています。予算策定、予実差異分析、見込管理といった予実管理業務は、必ずどの企業もしていることだと思います。しかし、多くの企業がExcelやGoogleスプレッドシートを使い、運用がなかなか上手くいかない、と課題を感じています。しっかりと我々が提供できる価値をお客様に知ってもらい、より多くのお客様にこのサービスを届けていきたいです。
西:本日はお時間を頂きありがとうございました!
DIGGLE株式会社
DIGGLE株式会社は、「経営の意思決定サイクルを速くする」ビジネスの実現を目指し、予実管理クラウドサービス「DIGGLE」の開発・提供を行っています。最新のテクノロジーを活用し、予実管理業務を誰でもスムーズに行えるサービスの提供を通じて、素早く透明性の高い社内情報流通を可能にし、スピーディな意思決定の実現を支援してまいります。
https://diggle.jp/
【編集後記】
「一見ワクワクしないけど、実は超絶面白い予実管理」という言葉に惹かれ、どのようなサービスか気になりコンタクトさせて頂きました。すると、大変ありがたいことに快く取材を受けて頂けることに…!
毎月収支とにらめっこする経理担当者がExcelの壁を乗り越え、短時間で正確に収支を管理することができたら、フロントメンバーも次の打ち手を考えやすくなると思いました。限られたリソースの中で、予実管理をもっと簡単にしたい、他部署間との連携をもっとシームレスにしたい、そんなスタートアップさんに是非使って頂きたいサービスです!
取材日:2022年2月22日
インタビュアー:西 かなこ
写真:原 康太
撮影/編集: 山田 直哉 神成美智子