株式会社メップル・代表取締役 鈴木 友樹

Vol. 024 株式会社メップル・代表取締役 鈴木 友樹さん

第24回は、「“がんばらないウェルネス” を、あたりまえにする。」というミッションを掲げ、女性に特化した植物性のウェルネスプロテインを提供している株式会社メップル 代表取締役・鈴木 友樹さんにインタビュー。起業した理由やメップルが実現したい世界などについてお伺いしました。

鈴木 友樹  Suzuki Tomoki / 代表取締役

1990年生まれ、群馬県出身。2015年、スタートアップのデザイン会社にて自社プロダクトのUX改善やコミュニケーションデザインに携わる。その後、カウモ株式会社に入社し、SEOやオペレーション構築、新規事業の立ち上げや戦略立案を行う。2017年にフリーランスとして独立し、東証一部上場の株式会社メディアドゥにてデザインやマーケティングのコンサルティングに従事。その後、2018年1月に株式会社メップルを創業。女性に特化した植物性のウェルネスプロテイン『KOREDAKE』を展開。

両親のために、予防医療がやりたかった

NovolBa山田(以下、山田):まず初めに、なぜメップルを起業しようと思ったのか教えてください。

メップル鈴木(以下、鈴木):学生の頃、父が重い病気を患ったのがきっかけです。 日々寄り添いながら、大切な人の健康をサポートしたいと思うようになりました。 また、医療従事者の家庭だったこともあり、子供の頃から健康に対して人並み以上に興味があったので、予防医療の分野で自分ができることがあるのではないか、という想いが強くなり、起業しようと思いました。

山田:家族への想いが強いのですね。起業ではなく、予防医療に関する事業をしている会社で働くという選択肢はなかったのですか?

鈴木:その選択肢はなかったです。実は、学生の時に起業をしてあまり上手くいかなかった経験があり、社会人になったらもう一度挑戦しよう、と思っていました。ですので、起業する前に入社した会社では新規事業に携わらせてもらい、その環境に揉まれ、必死で食らいつき、起業に役立つ経験をたくさん積むことができました。
もう一つ起業した理由として大きかったのは、「自分を通して両親にも夢を見せてあげたい」という想いです。“起業”って、「こんな社会にしたい」という夢を持ち、それを実現するために必死で頑張っていく仕事だと思うんです。
私の家庭はあまり裕福ではなかったので、両親は子供を育てるために仕事を一生懸命頑張っていて、「夢を持って仕事する」という経験をできなかったのではないか、と感じていました。 自分が起業して頑張る姿を両親に見せることで、追体験してもらえるのではないか、両親も夢を持てるのではないか、それらが両親の人生をより豊かなものにするのではないか、と思いました。  

現在のプロダクトに辿り着いたのは、妹の言葉

山田: 起業後は、今のプロダクトである『KOREDAKE』をすぐに開発し始めたのでしょうか?

鈴木:いえ、プロダクトに関しては2年間で数十回もピボットしました。 予防医療という分野は変わっていないのですが、遠隔医療のサービスやダイエットアプリなども作りましたね。

山田: なるほど、色々なことにチャレンジされたのですね。完全栄養食のプロテインに辿り着いたのは何がきっかけだったのでしょうか?

鈴木:当時は、予防医療がやりたいという気持ちから、体を健康にすることばかりに意識がいっていました。その時、ヨガのインストラクターであり看護師でもある妹にこう言われたんです。
真の健康って、心の健康が大事なんだよ」と。本当にその通りだなと、ハッとさせられました。 自分自身の場合は、何が心の健康を支えているのだろう、と考え始めました。

当時は仕事がとても忙しい中で、ともかく栄養を取ろうと思ってプロテインを飲んでいたのですが、それが実は「心の健康もサポートしてくれている行為だ」と気づきました。プロテインを飲んでいるから、栄養がしっかり取れているんだ、という安心感ですね。
それ以来、プロテインに注目するようになりました。従来のプロテインは美味しくないものが多いですよね。もっと味が良くて、タンパク質をはじめとした栄養素が充実した、飲みやすいプロテインがあったら良いのでは、と思ったことが、今の『KOREDAKE』という商品を提供することになったきっかけです

多くの投資家から資金調達ができた理由

山田:シードラウンドで、ベンチャーキャピタル(以下、VC)のコロプラネクスト、その他エンジェル投資家など多くの投資家から資金調達をされています。どのような事がポイントだったと思いますか。

鈴木:まず誤解のないようにお伝えしたいのは、シードラウンドの資金調達は全く順調ではありませんでした。調達までに7か月ほど要してしまい、どちらかと言うととても苦労したと思います。 資金調達に関してカッコよく言える立場ではないです(笑)

山田:そうなんですか?試行錯誤の末、最終的に資金調達ができた理由をぜひ教えてください!

鈴木:まず一つ目の理由は、私自身やチームについてしっかりアピールできたからだと思います。
そもそもシードラウンドは市場や事業も大事ですが、人に投資するフェーズでもあります。
当初、私はそのことを全然分かっていなくて… VCの方々にピッチをするときに、事業の話しかしていませんでした。100人くらいの担当者とお会いしましたが、全く上手くいきませんでした。 ですが、次第にVCの方々がこのフェーズで何を求めているかわかってきたのです。
それからは、ピッチの半分以上は「自分がどういう人間か」「メップルのチームはどういう人たちか」を話すようになりました。また、メンバーにもピッチに同席してもらうこともありました。
ここから、一気に風向きが変わり始めました

二つ目の理由は、「この方に投資してもらいたい」という強い想いを持って行動していたからだと思っています。 投資家なら誰でもいいわけではなかったので、連絡して返信がなくても、何度もアプローチして、「なぜあなたに投資してもらいたいか」というラブレターを書いて送り続けました(笑)。

自分がとにかくポジティブな性格なので心が折れずに続けられたのですが、最終的に投資の意志決定をしていただいた方の一人からは「君のしつこさに投資するよ」と、冗談交じりに言われました

今後の展望

「健康」のために「頑張る」を変えたい

山田:メップルの今後の展望について教えてください!

鈴木:弊社のミッションの通り、「 “がんばらないウェルネス” を、あたりまえにする。」をさらに追求したいと思っています。将来的には、プロテインなどの食領域にとどまらず、運動や睡眠、メンタルなど、ライフスタイル領域全般に事業を展開していく予定です。気付いたら、いつの間にかメップルが提供するサービスに支えられていた、という世界になって、心身の健康を自然な形でサポートできればと思っています。

山田:自然に、無理なく、をとても大事にしていますね。

鈴木:そうですね。ただでさえ皆さん毎日頑張って働いるのに、プラスアルファで健康のために身体に良い食事を摂ったり、運動をしたり、しっかり睡眠を取ろうと努力するのは意外と大変なことです。 「健康」になるためには「頑張る」ことが必要条件になっていますが、私たちはそれを変えたいと思っています。
健康に関する情報や商品が自然に生活に取り入れられて、無理なく健康的な生活が送れる社会を実現できたら、もっと人生が豊かになるはずです。 私やチームのメンバーは、そのような世界を実現できることを信じて、今後もこの事業を発展させていきたいと思っています。

株式会社メップル

「“がんばらないウェルネス” を、あたりまえにする。」をミッションに、女性が1食に必要な31種類の栄養素をたっぷり配合した完全栄養プロテイン『KOREDAKE』を展開。20代後半~30代女性を中心に多くの消費者に支持されており、累計の会員数はすでに10,000名を超えている。(2022年4月現在)
株式会社メップル
KOREDAKE


【編集後記】
鈴木さんとお会いした際はとても穏やかそうな方だなと思いましたが、インタビューを通して諦めない心や情熱を感じて、起業家としてとても魅力的でした。そんな鈴木さんやKOREDAKEというプロダクトに惹かれたファンが社員になっているチームであると知り、とても強い組織だなと思いました。今後も、まさに”KOREDAKE”だけでなく、人の健康を支えるサービスの拡大がとても楽しみなりました!
(追記;2022年5月9日現在、楽天市場のプロテイン部門で1位を獲得されてます!すごい!)


取材日:2022年4月6日
インタビュアー:山田 直哉

写真・編集:神成 美智子

株式会社メップル・代表取締役 鈴木 友樹
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